「法人税」と一口に言われますが、法人の利益(所得)に対してかかる税金は実際には6種類あります。国に納めるもの、都道府県・市町村に納めるものが混ざっており、しかも互いの計算結果を参照し合う構造になっています。まずは全体像を1枚の表で押さえましょう。
| 税金 | 納め先 | 課税標準(何に対してかかるか) | 標準的な税率 |
|---|---|---|---|
| 法人税 | 国 | 所得金額 | 15%〜23.2% |
| 地方法人税 | 国 | 法人税額 | 10.3% |
| 防衛特別法人税 | 国 | 法人税額 − 500万円 | 4% |
| 法人住民税(都道府県・市町村) | 地方 | 法人税額(法人税割) + 定額(均等割) | 1.0% + 6.0% + 定額 |
| 法人事業税 | 都道府県 | 所得金額 | 3.5%〜7.0% |
| 特別法人事業税 | 国(申告は都道府県へ) | 基準法人所得割額 | 37%(外形対象法人は260%) |
計算は「連鎖」する
6つの税金はバラバラに計算するのではなく、次の順番で連鎖します。まず所得金額から法人税を計算し、その法人税額を課税標準として地方法人税・防衛特別法人税・住民税の法人税割が決まります。事業税は所得金額から独立に計算し、その所得割額から特別法人事業税が決まります。
所得金額 → 法人税 → (地方法人税・防衛特別法人税・住民税法人税割)
所得金額 → 法人事業税(所得割) → 特別法人事業税
つまり「所得金額」さえ決まれば、あとは税率の適用判定(資本金・所在地・事業年度)によって全税目が芋づる式に計算できます。当サイトのシミュレータはこの連鎖をそのまま実装したものです。
それぞれの税金を一言で
法人税は本体で、資本金1億円以下の中小法人には軽減税率があります(詳細は法人税率まとめ)。地方法人税は名前に反して国税で、法人税額の10.3%が自動的に上乗せされます。防衛特別法人税は令和8年4月開始の新税です(解説記事)。
法人住民税は「法人税割(法人税額に比例)」と「均等割(赤字でもかかる定額)」の2階建てで、自治体ごとに超過税率があります(46都道府県が超過税率を採用・均等割の早見表)。法人事業税は所得に応じた3段階の税率で(計算方法)、資本金1億円超の法人は外形標準課税という別の体系になります(対象判定と税率)。特別法人事業税は事業税とセットで納める国税です(税率37%・260%の意味)。
なお、消費税・源泉所得税・固定資産税など「利益」以外にかかる税金は本記事の対象外です。